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「国土の長期展望 中間取りまとめ」に見る日本の将来
2011年05月09日こんにちは。
大家さんのための賃貸経営マガジン「オーナーズ・スタイル」
編集長の上田です。
月曜日は「賃貸経営お役立ち情報」です。
今年の2月、国土交通省が、
「国土の長期展望 中間とりまとめ」
という資料を公表しました。
「人口減少の進行、急速な高齢化等を踏まえた
国土の長期展望をおこなう」
などの主旨に基づいて、
主に西暦2050年を迎える頃までの
日本の姿を予測するものです。
人口や国民の年齢構成のほか、
気候の変化といった要素もふまえて、
日本の近い未来の姿を詳しく描いています。
いくつか目につくところを挙げてみましょう。
まず、この資料では、
「日本の国土全体での人口の低密度化と地域的偏在が
同時に進行する」
との予測がされています。
国土の大部分で人口が疎らになる一方、
ごくわずかな箇所にのみ、増加と集中が起きるとのこと。
主に、東京圏、名古屋圏に、
そのわずかな「人口増加・集中箇所」が
目立つことになりそうです。
その一方で、
こんなことが起こるとされています。
「2050年までに、今の居住地域の約2割が無居住化」
するというのです。
予測どおりであれば、39年後、
現在、日本で人が暮らしている地域のうちの5分の1から、
人がいなくなります。
無居住化すると予測される地点は全国各地にわたって
存在しますが、
この資料にある図を見ると、
山間部ほど、その様子は顕著です。
また、
中国・四国、南九州、東北・北海道の一部などで、
無居住化はかなり広域的なものとなりそうです。
来る2050年。
どんな風景が、日本の山野に生まれているのでしょうか。
ちなみにこうした状況を受けて、
こんな予測もされています。
「所有者の不明な土地が増加する」
と、いうのです。
「相続人不存在の場合の財産管理人選任事件の件数」
と、いう統計における近年の推移を見ると、
「2050年には現在の約4倍まで増加する可能性あり」
との推計がされるそうなのです。
その数、グラフの折れ線をたどると、
2050年時点では年間5万件を超えそうです。
なお、今現在の数字は、
1万5千件に迫りつつある程度でしょうか。
1970年頃には、2500にも達していませんでした。
今後、未曾有ともいえる
毎年何万もの
「相続人不存在の財産」(当然多くは土地でしょう)が
日本に生まれ、
それが加速しながら増えていく。
おおむね、そのようなことが言えそうです。
さて、以上、
この資料から語られることとしては、
そのほんの一部分だけに触れたに過ぎません。
この「国土の長期展望 中間取りまとめ」が語る
興味深い予測は、
まだまだほかにもたくさんありますので、
今後も機会をみて、触れてみたいと思います。
子供や孫達に向けて、
私達がどんな未来を残していくべきなのか、
それを考えるためのよい参考にもなりそうなこの資料です。
ぜひ皆さんも、実際の内容を
ご覧になってみてください。
↓
「国土の長期展望 中間とりまとめ」
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