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集合住宅のもうひとつの形「コーポラティブハウス」はホントに良いの? その2
2011年06月02日こんにちは。
大家さんのための賃貸経営マガジン「オーナーズ・スタイル」
編集長の上田です。
木曜日は「雑学いろいろコラム」です。
今週も先週にひきつづき、
「集合住宅でのオーダーメイド」、
コーポラティブハウスのお話です。
住宅の購入を希望する人が集まって、
建設組合を結成し、
まず皆で話し合って、建物の設計内容を取り決める・・・
土地や建設会社を選び、工事を発注する・・・
居住者それぞれの好みや希望を反映した
「集合住宅」
が、実現する・・・。
夢のある話であることは間違いありませんが、
誰もがこう考えるはずです。
「話し合いはうまくいくのだろうか?」
家は、
多くの人にとって、一生に一度の大きな買い物です。
誰もがそれぞれの希望を最大限に実現したいと思い、
これに臨みます。
そんな人々が共同で一個の建物に夢を結実させようと
するわけですから、
当然、そこにはするどい利害対立も
起こりうるわけです。
それだけではありません。
ほかにも不安は湧いてきます。
たとえばすぐに頭に浮かぶのは、資金の問題でしょう。
土地取得のための費用、建設費用といった
大きな資金を
「家を建てたい」人が集まっただけの任意の団体にすぎない
建設組合がスムースに貸してもらえるのでしょうか。
また、
組合の中に、不動産や建設関連等々、
各種の法令規則に詳しい人がいない場合、
あるいはたとえそういう人がいたにしても、
一個の集合住宅を
プロの組織でもない一般の人が集まって建てようとすることの
困難さというのは、
やはり並大抵ではありません。
そこで登場するのが
「コーディネーター」という存在です。
組合メンバー相互の意見調整、
合意形成はもとより、
建設会社、金融機関、土地所有者など、
関係者皆が円滑に事業にかかわり、作業を進められるよう、
このコーディネーターが立ち回るのです。
それだけでなく、
コーディネーターの多くは、
実は事業に先んじて、
土地の選定、ある程度までの事業計画の立案を行います。
さらには組合メンバー候補(将来の入居者候補)の募集も
行います。
いわば、
コーディネーターの「お膳立て」の上で、
事業が始まり、
進められていくかたちなのですが、
現在、日本で行われているコーポラティブハウス建設事業の
多くは、
本来の「組合ありき」とはちょっと違い、
組合結成以前の早期の段階からコーディネーターが活躍する、
コーディネーター主導型プロジェクトによるものだと
いわれています。
ともあれ、
自主的に生まれたにせよ、
コーディネーターによる魅力的な構想に賛同するかたちで
人々が集まったにせよ、
「そこに一緒に建物を建てて住みたい」
と、いう人々が集まって、
組合が結成されるわけです。
結成に向かって多くの話し合いが行われ、
結成したあとにも多くの話し合いが重ねられ、
大抵は、
いつしかメンバー全員、互いにすっかり、
気心知れあう仲と、なってしまうのだそうです。
実は、
コーポラティブハウスの魅力、
それは何よりも、この点にあるのだといわれています。
「お仕着せではない自由設計といっても、
そこはあくまで集合住宅。構造上の限界があった」
「一般分譲よりもお得な買い物ができそうだと思ったが、
結局そうはならなかった」
コーポラティブハウスを手にした人達からは、
そんな言葉もよく聞かれるのですが、
一方で、
「長い共同作業の中、良好なコミュニティが
形成されたことが何よりの財産」
との声も、多くの人から聞かれます。
逆に言えば、
良好なコミュニティづくりが上手くできなければ、
そのプロジェクトは失敗。
また、そこにうまく導けなかったコーディネーターは
力量不足。
コーポラティブハウスの評価については、
そんな基準を第一のものと考えても
いいのかもしれません。
お話はさらに来週に続きます。
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