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「陰翳礼賛」に見る、文豪が礼賛するトイレ
2011年06月30日こんにちは。
大家さんのための賃貸経営マガジン「オーナーズ・スタイル」
編集長の上田です。
木曜日は「雑学いろいろコラム」です。
賃貸経営の話題の中に、時々トイレの話が出てきます。
このブログでも、
トイレ・バスが一緒の物件の不人気にかかわって、
たびたび話題を採り上げていますし、(→先週水曜日も)
少し前には、
「超節水型」とよばれる最新型のトイレを紹介させて
いただいたこともあります。(→当該記事)
ところで、
谷崎潤一郎の「陰翳礼賛」といえば、
暗がりに美を見出してきた日本の文化を「礼賛」し、
それが失われゆくことを惜しんだ昭和初期の名文ですが、
この中にも、
文豪・谷崎がトイレについて語った一節があります。
谷崎潤一郎は、なんとここで、
「日本の建築の中で、一番風流に出来ているのは厠(トイレ)で
あるともいえなくはない」
と、主張するのです。
但し、その「風流」は、
当然ながら、
日本の古い時代のトイレが備えていたもののことです。
この古いトイレの風流を
文豪はなんとか自宅の水洗トイレに再現したいと
考えましたが、
「よほどの手間と費用がかかる」
ため、あきらめるほかなかったのだそうです。
谷崎潤一郎が礼賛した日本の古いトイレの風流とは、
どんなものだったのでしょうか。
「陰翳礼賛」から、その様子を意訳しながら引用すると・・・
それは
「必ず母屋から離れて」、
「青葉やコケの匂いのしてくるような植え込みの
陰に設けてあり」、
「薄暗い光線の中」、佇んでいるのだそうです。
もちろんそこは、
「閑寂な壁」と、「清楚な木目」にかこまれた、
清潔な空間でなくてはなりません。
用を足しながら「窓の外の庭の景色を眺め」つつ、
さらには、
「瞑想に耽る」こともできるような場所こそが、
昔の日本のトイレだったとしています。
さらに谷崎は、
(彼曰く)とりわけ「関東の厠」に見られるものとして、
「床の細長い掃き出し窓」
に言及します。
この窓があるため、
「雨の日などは、軒端や木の葉からしたたり落ちる水滴が
庭を潤しながら土に沁み入る、
しめやかな音をひとしお身近に聴くことができる」
とのこと。
よって、こうしたトイレは、
「虫の音によく」、「鳥の声によく」、
「四季折々のもののあわれを味わうのにもっとも適した場所である」
というのが、文豪の意見です。
いかがでしょうか。
皆さんにはこんなトイレを使った記憶がありますでしょうか。
使ったご経験がもしおありならば、
谷崎潤一郎が贈る礼賛ほどではないにしても、
こうした昔のトイレが持っていた風流な面を
懐かしく思い出される方は結構多いかもしれません。
一方で現在は、時代も大きく進んでいます。
生まれた時以来、
水洗トイレしか見たことのない若者達、
それどころか、
和式トイレの使い方がわからずに戸惑う子供達も
いまは沢山いるのだそうです。
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