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「陰翳礼賛」から80年、日本の夜が変わっていく予感
2011年07月14日こんにちは。
大家さんのための賃貸経営マガジン「オーナーズ・スタイル」
編集長の上田です。
木曜日は「雑学いろいろコラム」です。
先々週、
この「雑学いろいろコラム」で、
谷崎潤一郎の「陰翳礼賛」を採り上げました。
(→当該記事)
今日はもう一度、
この昭和の初めに発表された、古い随筆にふれてみましょう。
その前に、
これも先日のことですが、
私はこのブログの「鎌倉大家日記」に、
「夜の照明はずっと節電で良いと思う、ちょっと変わった理由」
と、いう記事を書かせていただきました。
不幸な震災による原発事故がひきがねとなって、
社会に節電の機運が高まり、
そのためすっかり暗くなった、最近の首都圏などの夜ですが、
私はこれに関して、
「不便は感じない」
「今後もこのくらいでいいのでは」
さらに、
「世界中を見渡しても、
夜がこんなにも明るかった国は(節電以前のこと)、
日本のほか無かったのでは?」
と、記しました。
そこで思うのですが、
それでは日本は、
いつから、
それほどまでに「夜が明るい」国になったのでしょうか。
谷崎の「陰翳礼賛」をひもとくと、
こんな記述に出会います。
「先年、武林無想庵が巴里(パリ)から帰って来ての話に、
欧州の都市に比べると東京や大阪の夜は格段に明るい」
(武林無想庵は谷崎よりも少し年上の文学者です)
さらに加えて、こうあります。
「(上記の)無想庵の話は今から四、五年も前、
まだネオンサインなどの流行り出さない頃」
よって、
「今度彼(無想庵)が(日本に)帰ってきたら、
さぞかしびっくりするだろう」
とのことで、
まだ昭和もヒトケタの頃、地方の町や村などはともかく、
日本の都会ではすでにネオンサインも輝き出し、
谷崎記すところ、
「恐らく世界じゅうで電燈を(もっとも)贅沢に使っている国は、
アメリカと日本であろう」
そんな、
すっかり進んだ(?)状況となっていた様子です。
もちろんその後、開戦・終戦を経て、
たちまちアメリカをも置き去りにし、
高度成長の頃以降、
日本が世界で一番「夜が明るい国」になったことは、
多分、間違いのないところでしょう。
谷崎は、
そうした日本の行く末を
「日本の美は本来、暗がりにこそ見出されてきたはずだ」
との美的観点から大いに危ぶんで、
「陰翳礼賛」
を著したわけです。
ところで、
震災や節電のこととは関係なく、
それ以前より、ここ数年来、
家庭の照明など、日本の灯りにはいわゆる「電球色」が
増えたような気がします。
電球色とは、白熱電球のような、
橙(だいだい)色の光のこと。
昼間の太陽光のように白っぽく明るい「昼光色」に比べ、
電球色はやや暗く、
夜の室内に、まさにほどよい「陰翳」を
醸し出してくれます。
実はこうした「電球色支持」の傾向は、
いま注目のLED照明の売れ行きにもはっきりと表れて
いるとのこと。
この4月の報道によると、
ある大手家電量販店では、LED電球の売れ筋1位は、
やはり、電球色なのだそうです。
谷崎潤一郎の憂いから80年近くを経て、
私達はいま、遅ればせながら、
「陰翳礼賛」を始めつつあるのかもしれません。
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