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空室対策の成功事例。それは入居者同士の「あいさつ」の促進!
2012年01月31日こんにちは。
大家さんのための賃貸経営マガジン「オーナーズ・スタイル」
編集長の上田です。
火曜日は「編集部こぼれ話」です。
私達の賃貸経営、
その主な舞台である首都圏。
その首都圏よりも、
さらに空室率の高い地方都市・・・。
「一歩進んだ空室対策の成功事例がないか探してみたい」
と、以前より思っていたところ、
先日、ご縁をいただき、
札幌の管理会社、「札幌オーナーズ株式会社」
森 賢一 代表取締役から、
お話をうかがう機会を得ることが出来ました。
ご存知、
北海道一の大都市、札幌市。
しかし、その環境は厳しく、
賃貸住宅の空室率は、現在、約25%にのぼるとも
言われているのだそう。
ですが、
札幌オーナーズさんはちがいます。
管理されている物件のうち、60%以上が築20年以上。
にもかかわらず、
なんと、
92.2%という高い入居率を誇っています。
どんな空室対策を立てていらっしゃるのでしょうか。
色々とお聞きした中で、
特にユニークなものが、
「入居者同士の『あいさつ』を促進する活動」
です。
下の写真をご覧下さい。
札幌オーナーズさんでは、
このような看板を
管理されているすべての物件のエントランスに
掲げていらっしゃるのだそうです。
空室対策のうち、もっとも有効なもの。
それは、
とりもなおさず、「空室をつくらないこと」。
つまりは退去者を減らすこと。
退去者を減らすため、
札幌オーナーズさんが取り組まれている
重要な対策のひとつが、
この「看板」です。
森社長は、
こんな流れを想定されています。
人は皆、人の愛情や想いにかこまれた、
幸せな人生を送りたいと思っている。
↓
しかし、集合住宅に暮らす単身者には、
孤独感を持つ人が少なくない。
孤独感や、それにともなう不安が嵩じたあまり、
引っ越しを考えてしまう人も・・・。
↓
つまり、本当は皆、
入居者同士、ちゃんと顔の見える環境、
互いが知り合える環境で暮らしたいと思っている。
その方が「安全」で「安心」できることも、
実は皆が知っている。
↓
しかし・・・
隣人などにあいさつをしようと思っても、
照れくさかったり、
相手の反応が不安だったり、
二の足をふむ人も多いはず。
↓
ならば、
あいさつのきっかけをつくってあげよう。
↓
入居者同士があいさつを交わすようになれば、
やがてゆるやかな人と人との
「つながり」ができる
↓
住み心地が良くなり、きっと退去も減っていく・・・!
いかがでしょうか。
こうした考えにもとづき、
森社長以下、札幌オーナーズさんでは、
上記の看板を掲げるだけでなく、
入居者へ向けてレターを配り、
さらなる「あいさつ」の促進を図っているのだとか。
「マンション・アパートの環境をより良くしようと
一生懸命に考えてくれている。
こういう管理会社ならば、
いざ何かあった時でもきっと頼りになりそうだ・・・!」
孤独感、ではなく、
安心感を得ながら暮らしていらっしゃる方が、
きっと大勢、
いらっしゃることでしょう。
ちなみに「あいさつ」は、
札幌オーナーズさん側でも、当然のこと、
率先、励行しています。
清掃係さん、他の様々な担当者さん・・・
管理物件内外での作業中など、
入居者の姿を見かける機会があれば、
皆、元気なあいさつを欠かしません。
空室対策にとどまらず、
社会全体のために役立つすばらしい取り組みだな・・・と、
深く感じた次第です。
さて、
来週は続けてもう一件、
札幌オーナーズさんが行なっている
ある空室対策について、
ご紹介いたしましょう。
札幌オーナーズ株式会社さんのサイト
↓
http://www.s-owners.com
・・・よく工夫されたすばらしいリフォーム事例、
札幌オーナーズさんのさまざまな取り組みなどについて、
ご覧いただくことができます。
大学生向け賃貸物件・経営のヒント その1
2012年01月30日こんにちは。
大家さんのための賃貸経営マガジン「オーナーズ・スタイル」
編集長の上田です。
月曜日は「賃貸経営お役立ち情報」です。
さて、冬ももうすぐ終盤。
それが過ぎれば間もなく、入学・進学の季節です。
中でも、
大学生の皆さんといえば、
昔もいまも、
賃貸住宅にとっての重要なお客様。
そのニーズや動向など、常にしっかりと、
注視しておきたい存在です。
そんな大学生の皆さんの「部屋探し」や、
賃貸住宅生活にかかわる意識について調べた、
二つの調査結果を紹介します。
ひとつは、
株式会社ホームアドバイザー・オウチーノ総研さんが
公表されている、
「東京の大学に通う、学生984人に聞いた
イマドキの大学生の「ひとり暮らし」事情~部屋探し編~」
もうひとつは、
不動産・住宅サイト SUUMO さんの
「現役大学生361人に聞いた
イマドキ学生の賃貸生活事情」です。
どちらも、
入居者募集や空室対策に直接効果をおよぼすような
データが豊富・・・
と、いうわけではありませんが、
学生さんを比較的数多く顧客にかかえる
オーナーさんなどにとっては、
賃貸経営のヒントにつながる
何かをひろえるものにはなりそうです。
早速、見ていきましょう。
まず、二つの調査にほぼ共通した設問です。
「今住んでいる街を選んだ理由は何ですか?」(オウチーノ)
「現在住んでいる場所を選んだ理由をお教えください」(SUUMO)
こんな結果(上位を抜粋)となっています。
オウチーノさん・・・
1位 大学に近い 51.9%
2位 家賃が安い 33.3%
3位 落ち着いている 25.9%
4位 便利 14.8%
SUUMOさん・・・
1位 学校に近い 70.9%
2位 コンビニやスーパーなどが近く買い物が便利 47.1%
3位 家賃が安い 38.2%
4位 最寄りの駅に近い 30.7%
5位 周辺が静か 18.0%
6位 治安がいい 14.7%
学校(大学)に近い、家賃が安い、が、
上位となるのはまず予想どおりとして、
ちょっと面白いのは、
オウチーノさんの調査結果にある
「便利」(4位、14.8%)
SUUMOさんの調査結果にある「便利」
(コンビニ~などが近く買い物が便利・2位 47.1%)
(最寄りの駅に近い 4位 30.7%)
双方に、
比較的大きな割合の差が見られることです。
さらに、ご確認下さい。
オウチーノさんの方の3位には「落ち着いている 25.9%」
が、挙がっていますが、
SUUMOさんの方で似た傾向を示していると
思われる、
「周辺が静か 18.0%」、「治安がいい 14.7%」
は、それほど大きな声にはなっていません。
これについては、アンケートの構成など、
我々からは見えないところに、
何か要因が存在する可能性もありますが、
ざっと見通して、
オウチーノさんが調査対象とされた皆さんには、
・静かで落ち着いた住環境を好む人
が多く、
SUUMOさんの方には、
・便利で賑やかな住環境を好む人が多かった
と、察することはできそうです。
・・・と、
思ったところで、
私は、あることに気付きました。
それは、
両調査における調査時期の違いについてです。
上記リンク先からも確認できますが、
実は、オウチーノさんの発表には、
「上記の記事は、2011年11月30日現在のものです」
と、付記があります。
一方、
SUUMOさんの調査は、
公表が「10年11月17日」、
調査実施時期、「2010年3月30日~3月31日」
と、なっています。
つまり、
両者にはざっと丸一年か、
あるいはそれ以上の違いがあるようなのです。
このことは、
ひょっとすると、調査結果に何かの影響を
与えてはいないでしょうか。
そしてもうひとつ、
オウチーノさんの調査は、別の設問の内容から、
「東日本大震災のあとに行なわれた」
ことがわかります。
(震災直後のひとり暮らしで感じた不安について
尋ねている項目があります)
つまりは、回答者の中に、
震災直後の混乱や、原発事故にかかわる不安のさ中、
部屋探しをした学生さんが
ある程度含まれている可能性もあるということで、
よく語られるところの、
「3.11以前と以後の心の変化」が、
もしかすると、
こうしたところにも現れているのかもしれません。
来週も続けて、
二つの調査結果について、
皆さんと一緒に見ていくことといたしましょう。
鎌倉・世界遺産に推薦されている「寿福寺」さんで除夜の鐘を突く
2012年01月27日こんにちは。
大家さんのための賃貸経営マガジン「オーナーズ・スタイル」
編集長の上田です。
金曜日は「鎌倉大家日記」です。
先月の大晦日の夜のこと。
毎年の恒例、
除夜の鐘を突いてきました。
正確には日が変わって、
元旦になったばかりの零時過ぎ。
なにしろお寺の多い鎌倉です。
周囲の鐘の音が、
家の中にいても聞こえ出します。
「今年はどうしようかな・・・」
と、少し迷ったのですが、
やはり、除夜の鐘を突かないと、
新年を迎えた気がしません。
「新たな年の新鮮な空気も吸っておきたい」
そう思い、
手袋をして出かけました。
向かったのは扇ガ谷にある「寿福寺」です。
寿福寺は、
西暦1200年、源頼朝の妻の北条政子が、
栄西を開山に招いて創建した、
臨済宗のお寺です。
鎌倉五山の第三位。
ですが、五山中もっとも創建が古く、
世界遺産の推薦リスト(構成資産)にも
もちろん、その名をつらねています。
境内に北条政子の墓と伝わる「やぐら」があることでも有名。
開山の栄西は、日本にお茶の習慣を伝えたことでも
よく知られています。
さて、
この寿福寺に私が到着したのは、
0時30分頃。
見ると、
早くも除夜の鐘突きは、終わりかけている様子。
鎌倉ではよくあることなのですが、
ここでは、鐘は「百八つ」突くと、決まってはいません。
(他地域はどうなのでしょうか)
最初に住職さんがお経をあげてから突くと、
そのあと、
集まったご近所の皆さんが突き始めます。
数にはこだわりません。
全員が突き終わったら、そこで終わりです。
ちなみに集まる人数、
例年にして40~50くらい。
(ここ数年少しづつ増えているような気がしますが)
私が境内に到着した時分、
まさに、
最後のおひと方が突き終わったところでした。
そこで私は、
やや慌てながら鐘のもとに駆け寄り、
お寺の人に一礼。
鐘にも一礼。
小箱にお賽銭を入れ、お焼香。
ふたたび鐘に向かって、手を合わせ・・・
いよいよ、
突かせていただきました。
ちなみに、
ここの鐘は軽く突いた方が良い音が出ます。
鐘木はゆっくりと押し出さなければなりません。
・・・うまくいきました。
イメージ通りの良い音です。
鐘に手を合わせ、余韻に聞き入ります。
余韻が消えると、ふたたび鐘に一礼。
お寺の人にもまた一礼です。
さて、
そのあと、
私は本堂に向かいました。
いつもはこちらへのお参りが先なのですが、
今年は逆です。
なお、
この日は貴重な日。
実は寿福寺さんは、
鎌倉五山の中で唯一、境内や建物を
公開していないのですが、
お正月の三が日と、この除夜の鐘を突く時間だけは、
例外とされているのです。
行ってみると、期待どおりです。
建物の扉は開かれていて、
一年振りに中を拝見することができました。
ご本尊、釈迦如来坐像。
両脇に仁王像。
ほのかな灯りに照らされ、荘厳な美しさです。
早速、お賽銭を納め、
手を合わせて、今年の幸せを祈願しました。
辰野金吾。東京駅をつくった男は、ラスト・サムライのひとり その2
2012年01月26日こんにちは。
大家さんのための賃貸経営マガジン「オーナーズ・スタイル」
編集長の上田です。
木曜日は「雑学いろいろコラム」です。
お話は前回からの続きです。
「日銀、東京駅、国会議事堂の三つをつくりあげること」
これを建築家としての本懐と定めていた辰野金吾。
大正3年、
日銀に続いて、
彼はいよいよ東京駅を竣工させました。
と、同時に、
この建築界のキングに、落日の影が差し始めます。
歯に衣着せぬ非難が、
世間から聞かれ始めるのです。
「何て不便な駅だ!」
今でもこの名残は感じられます。
東京駅丸の内駅舎の地上における「中央口」といえば、
目立たぬとても小さなものが、ポツリ・・・と
おちょぼ口を開けています。
ですが、
この状況、まだ幾分かマシになったもの。
竣工当時、
一般出入口は、
南北、それぞれが建物の両端にだけ、設けられました。
あれほど長大に外の広場に面している建物なのに、
端っこだけにしか、出入り口が無いのです。
しかも当時は、二つの出入り口が、
なんと、
「入口専用」と「出口専用」とにわかれていました。
なので、
うっかりこれらを間違うと大変!
延々、約300メートル、
駅の前か駅の中を歩かされるはめとなりました。
「なぜ丸の内側に駅舎を置いたんだ!」
ここ最近、ショップなどが増え、
めざましく変貌している丸の内の街並みですが、
しばらく前までの様子をご存知の皆さんも
多分、大勢いらっしゃるはずです。
過去は大きく違っていました。
オフィスばかりの、
失礼ながら味気のない風景でした。
繁華な界隈といえば、
丸の内とは反対側の八重洲方面こそが、
今も昔も、そうでした。
最新鋭の立派な駅舎を
わざわざ寂しい街に向けて置いた意味を
人々は不満を込めて問うたのです。
しかし、
実は、これらの計画は、
辰野が立て、線引きしたものではありませんでした。
設計が辰野に依頼される以前から、
色々な経緯と理由があって、
決められていたことだったのです。
ところが、辰野は、
その名前がすでに大きくなりすぎていただけに
ある意味、不幸でした。
「使い勝手の悪い巨大な明治の遺物、
こしらえたのは誰だ?」
と、なったとき、
象徴としてその名が挙がるような立場に、
彼は立たされることとなってしまいました。
しかし、
それ以上に痛烈だったのは、
同じ建築畑に生きる玄人筋からのするどい批判でした。
怖れを知らない若手が、
そろそろこの世界にも育ってきていたのです。
彼らは、
手探り、見よう見まねで、
なんとか西洋建築の一端をはぎ取って身につけた
辰野達の世代とは違い、
その知識は広く、
建築様式への理解も格段に深めていました。
そのため、
東京駅を一瞥して、「醜悪だ」と、一蹴。
「皆、辰野さんのこしらえるものを本物の西洋建築だと
思っているのか?
あのセンスでは世界の笑いものだぞ」
と、まるで言わんばかりに、
同じ丸の内に、東京駅と同じ様式の本物(?)を
建ててしまった建築家までが登場しました。
彼の名は「松井貴太郎」。
辰野より30歳近くも年下の新進気鋭。
この建物は近年建て替えられましたが、
その外壁などが、今も、
新たな高層ビルの一部を構成するかたちで、
残されています。
東京駅にほど近いお堀端にある
「東京銀行協会ビルヂング」がそれです。
もしご存じなければ、
ぜひ一度、
実物をご覧になってみてください。
一見して、
「東京駅と似た雰囲気。しかし、とても軽快でスマート」
と、多くの皆さんが感じられることでしょう。
もっとも私は、
辰野の東京駅の重厚な外観も、
これはこれで、魅力的に感じています。
さて、
そうこうしているうち、
いよいよ、
辰野生涯の目標のうち、残された最後のひとつ、
「国会議事堂」
の建設が、具体化してきました。
もちろんのこと、
「これも必ず俺の手で!」
と、辰野は執念を燃やします。
しかし、
そんな彼の前に厚く立ちはだかったのが、
大学教育、海外留学、日銀の設計・・・と、
かつての辰野金吾に出世のステージを与え、
彼を大きく育ててくれた、
「官」の存在でした。
お話は来週に続きます。
仲介会社が広告費の倍増を求めてきた!オーナーさんの判断は? その1
2012年01月25日こんにちは。
大家さんのための賃貸経営マガジン「オーナーズ・スタイル」
編集長の上田です。
水曜日は「読者の声とお悩み」です。
今日は・・・
「入居者募集に際して、仲介を頼んでいる不動産会社へ、
いつも、賃料1ヶ月分の『広告費』を支払っています。
ところが最近、この会社から要望があり、
『空室を早く埋めるため、さらに広告したり、
もっと積極的な営業活動を展開したりしたい。
ついては今後広告費を2ヶ月分に増やしてもらえないか』
とのこと。
でも・・・これって、そもそもおかしい話では?
この会社はいつも、契約が決まった入居者から、
法律で定められた報酬の上限である賃料1ヶ月分の
媒介手数料をもらっています。
なので、オーナーに対して、
さらなる『広告費』の支給を求め、
支払わせること自体が、本来違法である筈・・・!
とはいえ、違法であろうがどうであろうが、
言われたとおりに払わなければ、
一生懸命に入居者募集してくれなくなりそうな気もして・・・
悩みが深まるばかりです」
まず、
お話の途中に示されている疑問から、
お答えしていきましょう。
「法律で定められた報酬を上限まで手にしていながら
それ以外の『広告費』の支給をオーナーに求め、
支払わせること自体、違法なのでは?」
答えは・・・
おっしゃるとおり違法です。
ご存知、宅地建物取引主任者資格試験、
いわゆる「宅建試験」を受託運営している、
「(財)不動産適正取引推進機構」
のサイトに、
このことに関する一文が掲げられていますので、
抜粋してみましょう。
「(法律に)規定されている報酬および
依頼者(貸主)の依頼によって行う
広告の料金に相当する額以外に
いわゆる案内料、申込料や
依頼者の依頼によらずに行う広告の料金に相当する額の
報酬は受領することはできないとされており、
特別な依頼もしていないのであれば、支払う必要はありません。」
(→http://www.retio.or.jp/info/qa17.html)
いかがでしょうか。
しかし、
これを見て、多くのオーナーさんが、
こう思われるはずです。
「『特別な依頼もしていないのであれば、支払う必要はありません』
とは言うが、オーナー側から特に依頼をしなくとも、
不動産会社側から、
『広告をこれこれこの程度、打った方がきっと良い。
だが相当分の費用をオーナーさんにご負担いただくことが必要だ』
と、提示されれば、もはや受けざるをえない。
結局は、ほとんどの場合、
オーナーからの『特別の依頼』があったというかたちに
見なされてしまうのでは?」
答えは・・・
これもやはり「YES」ということになりそうです。
そのためでしょうか、
いつの頃からか、ご存知のとおり、
媒介手数料とは別の「広告費」、
しかも、
「広告の料金に相当する額」でもない、アバウトな
「賃料1ヶ月分のオーナーさん負担」
が、この世界に広く定着してしまいました。
そこで最近、
私もあらためて東京都庁の不動産業を管轄する係の人に
尋ねてみたのですが、
「仲介会社が特別な広告活動や営業活動を
一生懸命にやってくれたのであれば、
役所がとやかく言うことではない」
どうもそのような趣旨に聞こえる、
ややはっきりとはしないご回答。
どうも納得がいかず、さらに後日、
同じ係の別の職員に尋ねてみたところ、
今度は、
上記不動産適正取引推進機構さんの一文と同様の
厳しい(?)ご見解。
オーナーさんと不動産会社との間にトラブルが起こり、
それが持ち込まれでもしない限り、
行政も細かいことは言わず、
「オーナー側からの特別な依頼があったような、無いような・・・」
そんな世間での実態については、
知ってはいるけれど黙認・・・と、いったところなのかも
しれません。
ただし、
ここでひとつ、はっきりと言えること。
それは、
「不動産会社側のあと出しジャンケン」があった場合は、
オーナーさんは争えば勝てる、
ということです。
「事前に何ら存在を聞かされてもいなかった広告費を
入居者が決まってから突然請求された!」
と、いった場合、
法(宅建業法)とその解釈に照らし、
オーナーさんに、これに応じる義務はありません。
さて、
以上のとおり、まずはご疑問のうちの、
「本来違法である筈・・・!」
の部分について、
お答えをさせていただきました。
その上で、
お悩みの本題、
「今後広告費は2ヶ月分ほしい」と言われたが、
応えるべきなのか?
と、いうところについてなのですが・・・
お話は来週に続けたく思います。
私もちょっと気が重いのですが、
多くの賃貸住宅オーナーさんにいま迫ってきている
厳しい現実について、
お話しすることとなるはずです。