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土地の有効活用さまざま(1) ペット共生型・戸建賃貸住宅を建てる
2012年03月01日こんにちは。
大家さんのための賃貸経営マガジン「オーナーズ・スタイル」
編集長の上田です。
この3月、当ブログでは、
いつもの月~金曜日・日替わりの記事をお休みし、
1ヶ月間にわたって、
「賃貸経営ハウツー(特別記事)」をお届けいたします。
今日はその第1回目です。
賃貸経営には、
一般的な単身者向け、ファミリー向けの
アパート・マンションを経営するもの以外にも、
色々とユニークなかたちのものがあります。
そんな選択肢の存在を覚えておくことも、
これから賃貸経営を始めようとされる
オーナーさんなどにとっては、
とても有意義なことでしょう。
いくつかの例のうち、
今回は、
「ペット共生型賃貸住宅」と、「戸建賃貸住宅」を
紹介しましょう。
【ペット共生型賃貸住宅】
少し以前まで、
犬は玄関の外や庭先で飼うのが一般的でした。
ですが、
今は多くの猫同様、室内で飼うことがごく普通に。
さらには、
これらをただ室内で飼うだけでなく、
「ペットのための便利な設備や、
管理の仕組みがととのった環境で、
ペットと一緒に幸せに暮らしたい!」
そう希望する人が、
今後、ますます増えていくと予想されています。
「ペット共生型賃貸住宅」は、
いわゆる「ペット相談」物件とは別のものです。
ペットと快適に暮らすための設備や、
管理面での工夫が初めからととのった、
いわば「ペット歓迎」の賃貸住宅が、
こう呼ばれています。
リードフック、ペットの足洗い場から、
トイレスペース、消臭器、ドッグランなど・・・
設備の充実度については、
それぞれの物件で差がありますが、
ペットの飼育に関する規約が明文化されている点は、
どこも共通しています。
ルールがしっかりと定められていることによって、
ペットを飼う人も、
あるいは飼わない人も、
皆、安心して、
快適な生活をおくることが出来るようになります。
こうした「ペット共生型賃貸住宅」ですが、
今あるニーズ、
さらには、予想される今後のニーズに対して、
まだまだその数が少ないとされています。
現状、「ペット相談」物件さえも、
入居者募集中の物件の内、1割ほどを数えるに過ぎず、
設備や規約のととのった、
ペット共生型賃貸住宅となると、
ますます供給が乏しいのが実情。
「ペット相談」物件の数のさらに数%程度・・・と、
いったところでしょう。
そのため、
条件の良いペット共生型賃貸住宅の募集が決まると、
建物の完成を待たずして、たちまち全室、
申し込みが入り、
埋まってしまうケースも少なくありません。
ちなみに、
ある統計によれば、
国内ではいまやペットの数は人間の子どもの数を
上回っており、
「これから飼いたい」としている人の数も、
現在ペットを飼っている人の2倍以上です。
こうしたデータなどをもとに、
「ペット共生型賃貸住宅を含むペット市場は、
今後も安定的に伸びていくだろう」
多くの人々や業界が、そうした予測を立てています。
また、ペット共生型賃貸住宅については、
こんな有利も指摘されています。
それは、
「物件の優位性が比較的長期にわたって保たれやすい」
と、いうもの。
どういうことなのかといえば、
既存の賃貸住宅を
途中から「ペット相談」、ましてや「ペット共生型」に
変更するとなると、
すでにそこで暮らしている入居者の意向も
十分に踏まえなければなりません。
これは容易なことではなく、
そのため、
ペット共生型賃貸住宅にあっては、
「競合物件が急に周りに増える心配が少ない」
一般的にはそう言うことができると
されています。
また、同様の理由から、
賃料を周辺相場よりも高く設定できることも
多いとのこと。
周囲の通常の物件にくらべ、稼働率が高くなっている
ケースも少なくないようです。
さらには、
駅から遠い物件でも、
近くにペットの散歩に適した公園や遊歩道などがあれば、
悪条件を払拭、
入居者が集りやすい、といった声も。
加えて、
入居者同士がペットを通じて仲良くなりやすく、
良好なコミュニティが生まれやすい、
このことも、
ペット共生型賃貸住宅がもつ大きなメリットのひとつと
言ってよいでしょう。
さて、最後に、
ぜひ知っておいていただきたいお話が、ひとつあります。
ある管理会社さんによれば、
新築のペット共生型賃貸住宅の場合、
満室にはなったものの、
実は、入居された方の半数くらいしか、
ペットを飼ったり、飼おうとしたりしていない・・・。
そんなことが、
意外にも多いのだそうです。
「ペットを飼う予定はないが、
たまたま他の条件が希望と合っていた」
と、いうのが、
どうやらその理由。
この場合、
通常の物件であれば満室にできなかったところ、
ペット共生型であることで、
ペットを飼う人、飼いたい人も集まり、
そのため満室を実現できたと考えることが
できるでしょう。
【戸建賃貸住宅】
アパートやマンションといった「集合住宅」ではなく、
いわゆる一軒家、
「戸建住宅」による賃貸経営という選択肢です。
メリットがいくつかあるとされています。
もちろん全てがこうした理想どおりになると
いうわけではありませんが、
オーナーさんや、関係業界の人達から聞かれる声を
紹介してみましょう。
「戸建賃貸住宅」による賃貸経営のメリット・・・
1.長期入居への期待
入居者に子育て世代のファミリーが多いことがその理由。
育児、就学に要する期間を通じて、
比較的長く住んでもらえる傾向にあります。
2.安定経営への期待
上記1に加えて、
安定した法人契約を結べることも多いのが、
戸建賃貸住宅の特徴です。
3.管理の負担が少なく済む可能性
物件が汚れたり、荒れたりしにくい・・・。
共用部分がないこと、入居者自らが建物や敷地を
きれいに保ってくれることが多いのが、その理由です。
4.物件を建てやすい
アパート、マンションの建築には適さないような、
狭小地、変形地でも、戸建ならば可能な場合が
多いようです。
5.物件を処分しやすい
賃貸経営を終える際など、物件を売りやすいということ。
複数所有している場合は、
相続時の分割もしやすくなります。
6.駅から遠くてもニーズがある
駅から遠い不利な立地でも、子育て世代が顧客に多い
戸建賃貸住宅の場合、周囲が子育てに適した
環境にあれば、ニーズは集まります。
7.築年数の経過に強い
現状、戸建賃貸住宅はニーズに対して供給が少なく、
入居者募集中の物件の数%ほど。
古くなっても安定した入居が望めるとされています。
いかがでしょうか。
戸建賃貸住宅を手がけていらっしゃる
ハウスメーカーさんなどによれば、
「騒音など、ご近所に気を使うことなく子育てしたい。
でも一戸建てを買うのはまだ先・・・」
と、いった若いファミリー層を中心に、
戸建賃貸住宅へのニーズはますます根強いとのこと。
また、
専用の「庭」を使えることが多いため、
顧客のエコ志向の高まりとも合致・・・との声も、
最近はよく聞かれます。
ただし、
ひとつ、忘れてはいけないこと。
それは、
戸建賃貸住宅の場合、
一戸だけで経営していて、退去が発生すると、
次の入居者が決まるまでは、
賃料収入がまったくのゼロになるということ。
大事な注意点です。
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