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実相寺の静寂な境内で、鎌倉時代に渦巻いた「怨念」のあとを想う
2015年02月20日こんにちは。
大家さんのための賃貸経営マガジン「オーナーズ・スタイル」
編集長の上田です。
金曜日は「鎌倉大家日記」です。
あまり観光客の姿を見ない、
鎌倉の隠れた古刹やお社(やしろ)を
これまでにもたびたび紹介しているこの「鎌倉大家日記」。
前回ご紹介した九品寺からほど近く、
(前回の記事は→こちら)
今回は、
閑静な住宅街に佇む、
日蓮宗の「実相寺」を訪れてみます。
早速出発です。
九品寺の山門を背に、門前を横切る道路を
左へ向かいましょう。
200メートルほど北上します。
次いで、
右手に現れる細い路地に入ります。
すると、あとは簡単です。
そのまま路地を80メートルほど進んだ
突き当たり。
そこが、実相寺の門前です。
ここで・・・
「いや待った・・・!同じ門前でも、ここは鳥居の前だ。
『五所神社』に来ちゃった」
と、なってしまった方は、
正しい路地の入口を見逃してしまいました。
一本先の路に進入しています。
慌てず、焦らず、五所神社を背に立ち、
そのまま左へ進んでみてください。
間もなく、左手に、
目的地の実相寺が現れます。
実相寺のはじまりは、
日蓮の弟子・日昭が活動の拠点とした法華堂であると
されています。
法華堂の以前、ここにはある武士の屋敷が建っており、
その武士こそが、
一説には日昭の祖父にあたるともされる、
工藤祐経(くどうすけつね)でした。
もっとも、
「工藤祐経でした」と、ここで書いても、
いまは多くの皆さんが、
「誰ですか、それは」と、首を傾げてしまうことでしょう。
しかし、
工藤祐経といえば、戦前までは誰もがよく知る、
歴史上の人物のひとりでした。
「曾我兄弟の仇討ち」という大事件が、
鎌倉幕府発足後、間もなく起きています。
建久4年(1193)、
前年に征夷大将軍となった源頼朝が、
一大軍事デモンストレーションである「富士の巻狩り」を
挙行したときのこと、
これに参加していた
曾我祐成(すけなり)、曾我時致(ときむね)の若い兄弟が、
宿願である父親の敵(かたき)討ちを果たすのです。
討たれた方が、工藤祐経。
立ち位置としては、
ヒーローが曾我兄弟。祐経は悪役です。
この話は、
時代を下るにしたがって、人々の感動を呼びつつ、
脚色も重なっていきました。
いわば、エンタメ化していき、
江戸時代には「曾我物」として定番中の定番に。
歌舞伎を中心に、
さまざまな芸能作品の素材、題材とされました。
さらに、その勢いは
近代に入ってからも衰えることなく、
曾我兄弟は、
少年や若者の鏡として小学校の唱歌に歌われ、
また、国定教科書にも、
仇討ちの成就とそれに至るまでの彼らの辛苦の物語が、
教材として載せられていたほどです。
そんな国民的ヒーローに対する、
悪役・敵役であった工藤祐経。
この人の屋敷が、
いまの実相寺の立つ場所に、
かつてあったとされているのです。
現在は周りを静かな住宅地にかこまれた、
落ち着いた境内に佇みながら、
祐経のことを思うと、
思わず、
「名前をみんなに忘れられてよかったのでは・・・」
そんな気分にもさせられてしまいます。
なにしろ、
この時期の歴史に詳しい方ならご存知のことでしょう、
仇討ちされるまでに至ったについては、
祐経には祐経の、
人生の「ドラマ」があったのです。
祐経は、幼いうちに父を亡くしています。
そこで後見人となったのが、義理の叔父で従兄弟にもあたる
伊東祐親(すけちか)。
この祐親に、
祐経はあるとき策を弄されて土地を奪われ、
さらには妻(祐親の娘で、どうやらこれも「策」のひとつ)
をも奪われてしまうのです。
激しく恨みを抱いた祐経は、祐親の命をねらいます。
郎党に命じて、ある日、
狩りから帰る途中の祐親を襲わせるのですが、
このとき、
祐親と一緒にいた、彼の息子である河津祐泰(すけやす)に、
矢が命中してしまうのです。
祐泰はこれにより死亡。
この祐泰の残された幼い子どもたちこそが、
曾我兄弟です。
当時、
兄祐成5歳、弟時致3歳。
兄弟は、「いつか父のかたきを・・・」
と、胸に復讐の炎を燃やしながら、
その後間もなく訪れる、
源平動乱のはげしい時代を生き抜いていくのです。
ちなみに、
この騒ぎの始まりをつくったように見える
さきほどの伊東祐親は伊東祐親で、
工藤祐経の土地を奪った行為は、
実は、過去の遺恨によるものでした。
彼は彼で、
かつて祐経の父親との間に生じた、
土地と名誉に絡む深い恨みから、
これを実行しているのです。
まさに、怨念の連鎖。
ちなみに、怨念といえば、
伊東祐親は、
源頼朝の恨みを買っていた人としても有名ですが、
話が飛んでしまうので、
ここでは触れるのを我慢しておこうと思います。
ところで、
見事仇討ち本懐をとげた曾我兄弟。
末路ははかないものでした。
兄弟は、騒ぎをきいて駆けつけた御家人達と
激闘の末、
兄祐成はその場で討たれます。
弟時致は捕らえられてしまいます。
なぜ、そうなったのかというと・・・
二人はどうも、
工藤祐経を討ち果たしたあと、
なんと次には、
将軍頼朝の宿所に向かおうとしていたらしいのです。
理由は謎です。
これについては、過去よりさまざまな陰謀説、
憶測などの絶えることがありません。
その後、捕らえられた時致を
頼朝は赦そうとするのですが、
ここでまたも、次なる深い怨念が首をもたげます。
討たれた祐経の子が、涙で訴え、
時致の身柄の引渡しを求めたのです。
仇討ちした側が、次にはたちまちひとのかたきに。
頼朝はこれを認め、
時致はほどなく、その首を斬られました。
さて、長くなりました。
そうしたわけで、
日蓮の弟子、日昭がもとをひらいたとされるこの実相寺。
以上のような激しくも悲しい物語を想えば、
誰もがこう願うことでしょう。
「日昭は、やはり一説どおり、工藤祐経の孫であってほしい」
と。
すべての怨念の物語の中心にいた祐経の血をひく日昭が、
かつて祐経の寝起きしたその場所に、
仏に祈るための庵を結んだことで、
この一連の話の中、
恨み、恨まれたすべての人々が、
何か安らぎを得ることができたようにも思えます。
実相寺の門前から望む境内
(写真:宮 栄多郎)
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